ジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじと解説。実はチベット問題の話だった!

ジブリ製作の高畑勲監督作『平成たぬき合戦ぽんぽこ』はチベット問題を扱っています。ポスターがチベット仏教の曼荼羅のデザインになっています。

 そして映画の内容。中国共産党によるチベット侵略、チベット人に対する漢民族への同化政策を扱っています。1980年代の中国共産党による改革開放政策により、中国からの移民労働者がチベットに大量に入植しました。
同時にチベット内部では僧侶や政治運動(独立運動)に対する弾圧が継続されます。
改革開放と言いながら、実際は漢民族への同化政策です。 

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の舞台は多摩ニュータウンですが、ここの土地が破壊され、人間の街に作り替えられていく様子は、チベットへの漢民族の入植によるチベット支配を連想させます。このころチベット亡命政府(ダライ・ラマ14世)はチベットの独立の実現は現実的ではないという方針から中国共産党に対しチベットの「高度な自治」を訴えます。
第一言語をチベット語にすること、文化の保護、チベット仏教の信仰の自由、そして、内政はチベット政府に任せることを求めたのです。

映画『平成たぬき合戦ぽんぽこ』のメイン主人公である正吉とおキヨは、人間との闘いでの勝ち目は不可能と悟り「人間とタヌキの共生」をメディアを通じて人間に求めます。

しかし、中国共産党はチベットに「高度な自治」を認めようとはせず、同化政策を進めます。現在でも中国語で教育を受けていないチベット人に高収入の職業を得ることは難しい状態で、チベット語で教育を受けた生徒がカレッジや大学で専門的な資格を取得することは非常に困難です。そもそも資格を取得できる学科をチベット語で教える教育施設は無いそうです。

 道路標識は中国語で表記されるのみです。公文書は中国語で発布され、またチベット語で宛て先を書かれた手紙は配達されない。このような状況のなかで、チベット語は多くの少数言語と同じく絶滅の危機に置かれています。

同化に応じないチベット人を根絶する政策、それが中国共産党の「同化政策」です。2000年の人口統計によると、チベット高原の人口約1,000万人のうち軍人と出稼ぎ労働者を除いた540万人がチベット人、残りは漢民族です。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の最後は、人間に負け、人間の姿に化けて人間として暮らすタヌキと、化ける能力が無いタヌキが街でごみバケツをあさっている姿が描かれます。人間に化けた正吉が、ごみあさりをするタヌキに餌をあげます。

中国語を勉強し漢民族に同化し、漢民族の中で働くチベット人と、中国語を覚えられず、またはそれを拒否して貧しい境遇に置かれているチベット人を連想させますね。

日本テレビはジブリ映画の製作に毎回参加しています。『平成狸合戦ぽんぽこ』にも、数年前に亡くなった日本テレビの氏家斉一郎会長が製作に名を連ねています。氏家会長は高畑勲監督作品が大好きで有名でした。ジブリの有名プロデューサー、鈴木敏夫が氏家に高畑勲監督の良いところを聞いたところ、氏家は「彼にはマルキストの臭いがする」と言ったそうです。

氏家斉一郎も東大生のころは共産党員の学生運動家であり、その後転向した人です。高畑勲監督の『平成狸合戦ぽんぽこ』には、転向したマルクス主義者、現実改革をあきらめ、今の政治状況や現実に対して失望した世界観が漂っています。

また、この映画には脚本協力として井上ひさしが参加しています。井上ひさしと言えば、「9条の会」など左寄りの文化人(作家)として有名です。

この『平成狸合戦ぽんぽこ』は、元左翼学生(マルクス主義者)と左より作家が作った、共産主義革命の失敗=共産主義国家への失望を描いた作品と観ることができます。

中国共産党のチベットに対する暴力的弾圧は今も進行しています。文化的虐殺は今も続いています。中国共産党=中国政府は本当にひどい。最低最悪の政府です。

だから、『平成狸合戦ぽんぽこ』は今だに古びていません。

しかし、現実世界では、私たちはタヌキが勝つ世界(チベットが真の自治または独立)を実現する世界が見たいですね。

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