『この世界の片隅に』の聖地巡礼をやってみました
キネマ旬報2016年映画第1位、口コミから大人気になった各所で絶賛のアニメ映画『この世界の片隅に』(片渕須直監督)が、郊外の私の地元の映画館でもついに上映が開始されました。初日に観に行きました。
すばらしい映画でした!特に余韻がすごい映画です。鑑賞後の2週間、映画を思い出しながら、映画のことをしょっちゅう考えていました。こうの史代先生の原作も買いました。下記リンクよりamazonで購入できます。ちなみにTBSドラマ日曜劇場でも女優の松本穂香が主演で『この世界の片隅に』が放送され人気ですね。
もともといつか広島の原爆ドームに行きたいと思っていたんで、今回『この世界の片隅に』を観たのをきっかけに、初めて「聖地巡礼」を決行しました。
アニメの舞台になった場所を訪ねるってやつですね。土日を利用し一泊二日で映画の舞台『広島市』と『呉市』に行ってきました。直接舞台の場所を訪ねたことで分かった発見もありました。以下がその個人的なレポートです。

広島駅までの新幹線とホテル
土曜の早朝に起床、新幹線で「広島駅」へ。私の地元からは片道約4時間でした。
- 新幹線代 約19,000円×2
- 宿代 約3000円×1
計約4万円です。しかし、後で知ったのですが、2人以上ならJR東海ツアーズで「3万円:東京―広島:新幹線往復」のパッケージがありました。今回は一人でしたが、2人以上ならツアーがお得ですね。ホテルも駅近くで綺麗です。参考にしてください。 私は今回1人でバックパッカーの1人部屋に泊まりました(泣)。
関係ないですが、広島駅構内にエヴァンゲリオンのポスターがありました。

『この世界の片隅に』ロケ地MAP
新幹線で広島駅に着いて改札すぐのインフォメーションデスクにて「ロケ地マップ」をもらえます。ただし、こっちから「『この世界の片隅に』の「ロケ地マップ」をください」と言わないともらえません。数に限りがあるので、尋ねた人にだけ配ってます。

原爆ドーム
広島駅から広島市電に乗り換え→広電宮島口行に乗車→「原爆ドーム前」駅下車。
時間は20分かかかりません。 すごく近いです。ちなみのこの路面電車。すごく便利です。料金は均一160円。バスよりよっぽどイイ。東京の都心部にもあれば便利なのにと思います。オリンピックを機に作ればイイと思います。

広島平和記念公園
原爆ドームの川を挟んで向かいに広島平和記念公園があります。ここが映画に出てくる中島本町だったのですね。

公園内に『レストハウス』という建物があります。ここは休憩所、資料館、記念グッズ、無料ガイドさんの紹介をしてくれます。ここでも「ロケ地MAP」をもらえます。 そしてこの『レストハウス』が映画に出てくる『大正屋呉服店』です。原爆後にも建物が残った貴重な建造物です。 ここで私の大失敗ですが、『レストハウス』には行ったのですが、写真を撮り忘れてしまいました。後で写真を撮り忘れたことに気がつき、夜に写真を撮りにいきました。でも昼に撮った方がよかったですね。

広島平和記念資料館
当然ですが、『世界の片隅で』には広島平和記念資料館(原爆資料館)は出てきません。戦時中から終戦直後までの話なので。しかし、この原爆資料館で知ることができたことも多くありました。
原子爆弾 爆心地
原子爆弾は原爆ドームのほとんど真上、上空600mで爆発しました。原爆を搭載した爆弾「エノラ・ゲイ」には地上との距離を測る「測定器」がついていました。事前に「破壊効果が一番大きくなる高度」を計算し、その高さで爆発するよう、測定器がついていたのです。 なんて残酷な爆弾でしょう。原子爆弾投下の理由はアメリカの主張する「戦争終結のため」だけでなく、極めて「実験」の側面が強いことが感じられます。
アメリカ、許せませんね。

すずさんの実家、江波の被害
『この世界の片隅に』の主人公:浦野すず(北條すずさんの実家(浦野家)は江波に設定されています。
下の原爆の影響図では赤が全壊・全焼、黄色が半壊です。江波は半壊になります。 ちなみに同じく広島の原爆被害を描いた戦争トラウマ漫画『はだしのゲン』の作者:中沢啓治が江波出身です。

妹すみちゃんのあざ
映画の最後の方で、すずさんが妹すみちゃんに会いにいきます。妹すみちゃんは体に疲れを感じて布団で寝ています。妹すみちゃんの腕に紫のあざが出来ています。紫のあざは被爆の症状の皮下出血斑です。被爆してしまったこと暗示しています。悲しい出来事が起こることが暗示されてます。

広島平和記念公園と言えば「千羽鶴」のイメージがありますね。これは「佐々木貞子さん」という女の子に関係があります。
佐々木貞子さんは2歳のころ爆心地から1.2kmの地点で被爆。怪我はまったく無く、その後は何事もなく育ちますが、11歳で白血病を発症。そのころに紫のあざの斑点が体にできます。
入院中に「折鶴を千羽作れば病気が治る」という話を知り、新聞紙、折込広告など、紙ならなんでも使い、折り鶴を折り続けます。千羽を超えても折り続けます。しかし、入院してから8ヶ月後に12歳で死去。
貞子さんが亡くなった後、同級生が貞子さんをはじめ被爆で亡くなった子どもを慰霊する記念碑を作ろうと、募金を呼びかけます。それで出来たのが「原爆の子の像」であり、平和公園に千羽鶴を供える習慣になりました。
すずさんと周作さんと相生橋
浦野すずさんと北條周作さんが出会った橋です。そして感動のラストシーンの橋でもあります。原爆ドームと平和記念公園のすぐ近くです。路面電車の走ってる橋です。

宮島
宮島は映画には出てきません。当初は私も宮島には行く気はありませんでした。しかし、宮島は広島駅からけっこう近いのです。それが分かったので、ついでに宮島にも行くことにしました。広島に行ったら宮島は絶対行った方がいいです。近いしすごく安いです。
- 広島駅からJR線で30分。宮島口駅で下車:410円 。
- 「原爆ドーム前」駅からは路面電車で西広島駅まで160円。西広島駅でJR山陽線に乗り換えて宮島口駅まで20分320円。
路面電車も広電宮島口駅へ行きますが、時間がJRの3倍(68分)かかります(笑)。
宮島口からフェリーに乗って宮島へ行きます。このフェリー代がなんと170円!
激安です。JR線の切符を買うときにフェリー付き切符も買えます。

宮島は島自体が神と崇められた島。そう、まさに『聖地巡礼』です!島自体が聖地なので、島に神社を建てるのは恐れ多いということで、神社が海に張り出しているのです。 私の行った時間は15時頃。引き潮でした。いわゆる写真でみる宮島とは違いますね。

というわけで、広島駅→原爆ドーム→平和記念公園(資料館)→宮島→その後に江波(夜)→夜の平和公園と向かい、夕食は広島焼きを堪能しました。ちなみに宮島の名物は「あなご飯」。これも美味しいです。
あんまり「ロケ地」を巡っていませんね(笑)。そうです、事前調査をあまりしていなかったこともあり、あまり巡れませんでした。でも正直、ロケ地MAPの全部を巡る必要は無いかなと思いました。宮島にも行けましたし。十分満足です。
次回は『呉市』のレポートです。
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