女優の清水富美加さん出家 芸能事務所vs巨大宗教団体
女優の清水富美加さんが事務所を辞めて宗教法人の幸福の科学に出家しました。清水富美加さんは『仮面ライダーフォーゼ』『H/K変態仮面』朝ドラ『まれ』のヒロインを演じた人気女優です。そのため、このニュースは日曜のスポーツ各紙の一面。その後に出版した告白本『全部言っちゃうね』ではバンド「KANA-BOON(カナブーン)」の既婚者のミュージシャンとのゲス不倫も告白。とても話題ですね。でも、こう言っては失礼ですが、確かにこのニュースはとても面白いニュースです。
カルト的なイメージの巨大宗教団体が、まっとうな主張でブラックな芸能事務所を批判しているのです。巨大宗教団体「幸福の科学」の弁護士が記者会見をしました。 「幸福の科学」「出家」「法名:千眼美子」という言葉を除いたら、すごくまともなことを言っています。
能年玲奈さんが辞めた事務所と同じ
清水富美加の辞めようとしている、所属していた芸能事務所がレプロエンタテイメントです。能年玲奈さんが所属していて辞めた事務所です。
能年玲奈さんは自分のやりたい方向性と事務所の要求が合いませんでした。
能年玲奈さんは、事務との契約を辞めたいと申し出ますが、事務所は拒否。
結局、事務所の意向とは対立し、子どものころに入った劇団「the Misfits」主催で能年さんに演技指導者をしていた女性と事務所を設立。その女性の設立する事務所に移り、レプロを脱退します。
しかし、レプロは能年さんとの契約期間が1年ほど残っており、かつそれが履行されなければ契約が延長され続けると主張し、現在も脱退を認めず、かつ能年玲奈さんが仕事で「能年玲奈」の名前を使用することに抗議し圧力を加えています。「能年玲奈」は彼女の本名なのにです。 そして能年玲奈さんを呼ぼうとするテレビ局に、今も圧力を加えています。それは吉田豪や町山智浩がレプロに対し批判的に語っています。ちなみにレプロは大手芸能事務所バーニングのグループに入っています。
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芸能事務所レプロエンタテイメントはブラック企業
さて、今回の清水富美加さんのケース。「幸福の科学」が記者会見を開きました。「幸福の科学」の弁護士が会見にて清水富美加さんの立場や今回の顛末について語りました。 清水さんが芸能事務所レプロを辞めた理由は。
- 「性的対象として観られることが不快であり、嫌だという意向を伝えているのに、ブルマーやスクール水着を着させられる仕事を無理やりさせられた」
- 「人を喰う人種という、自身の宗教的心情にそぐわない仕事をさせられた」
- 「自分で応募しオーディションで得た仮面ライダーシリーズでの役で人気が出たのに、人気が出たら給料制(月給5万円)を提示された」
- 「毎日休みなく働いているのに月給5万円」
- 「逆らうと仕事を干されるという恐怖とストレスから心身を消耗」
以上が「幸福の科学」弁護士が語った清水富美加さんレプロエンターテイメント脱退の主要動機です。
極めて当然の脱退理由ですね。契約の期間が残っていると主張して本人の意思や健康を無視して働かせる。女優としての「夢」を利用し、信じられない安月給で働かせる。「芸能界から干す」という脅し(実際に言っていなくても能年玲奈の例がある)。
まさに超ブラック企業じゃないですか!
心身を壊してまでブラック企業で働くべきでしょうか?
それはおかしいですよね。
「幸福の科学」のメリット、デメリット
能年さんの場合、彼女が移った事務所は小さな劇団の主催者が作った小さな事務所でした。だから芸能事務所からバッシングされ、圧力をかけられテレビにも雑誌にもなかなか出れません。しかし、今回の清水富美加さんの場合は、芸能事務所などより遥かに大きな新興宗教団体です。
はっきり意見も言うし、圧力団体としても資金力と会員数からして強力です。清水富美加さんには強力なバックがついているということです。
清水富美加さんは「洗脳」?
能年さんが事務所を辞めようとしたころ、能年さんが洗脳されてるという記事が週刊誌に載りました。これは芸能事務所が事務所を辞めようとする女優に行う典型的なイメージ毀損行為だそうです。芸能事務所レプロエンタテイメントは本当に最低の人間がやってる芸能事務所ですね。
さて今回の清水富美加さんのケース。小さな劇団ではなく、巨大な宗教団体です。じゃあレプロは今回も「洗脳」と攻撃出来るでしょうか?
残念ながら今回は難しいと私は思います。理由は90年代に週刊誌フライデーと「幸福の科学」が対立した事件があるからです。
フライデーは「幸福の科学」を金儲けの悪徳カルト宗教団体であると報道し、被害者の告白記事などを載せました。それに対して「幸福の科学」は大々的にフライデーへの抗議活動を行いました。講談社前でのデモなど何度も行い、それが連日テレビのワイドショーのネタになりました。
私もそうですが、この時のワイドショーを見て初めて「幸福の科学」を知り、「狂信的なカルト集団があるのだな」「怖いな〜」と思いました。
「幸福の科学」の世間的イメージはカルトです。フライデーに対する抗議の事件から「信者がヤバい、怖い宗教」というイメージがあります。
このフライデーとの対立で「強烈に抗議してくる怖い団体」というイメージがある「幸福の科学」。いくら他の大手芸能事務所バーニングとつながっていても、芸能事務所レプロエンタテイメントは、ガードは出来ても相手を攻撃をするのは難しいでしょう。大手芸能事務所でさえ、怯むのではないでしょうか。
もし人権団体だったら?
さて、もしこれが「幸福の科学」という宗教団体ではなく、人権団体だったらどうでしょう?おそらく新興宗教団体という怪しさはありませんが、レプロ事務所側は「ヤバい人権団体」だとかの攻撃を仕掛けたでしょう。
私見ですが、「幸福の科学」は総裁の大川隆法を見るかぎり、おかしい宗教団体という感じが多分にあります。しかし、「ヤバい」けど「デカい」んです。
そこがひじょうに変な構図を生みだしていますね(笑)。
さらに今回、レプロ側が不利だと思ういます。「幸福の科学」の弁護士が主張するレプロ=超ブラック企業批判があまりにまっとうで、共感を呼ぶのではないでしょうか? 変な宗教団体だけど、今回言ってることはまともだと。
もし、芸能事務所にブラックさが無く、人気の女優が大川総裁に説得され「幸福の科学」に突然出家!となったら、もともとカルト的イメージの「幸福の科学」が、ふたたび週刊誌などのマスコミに批判されたと思います。
しかし、今回はレプロ=芸能事務所=ブラックという図式があり、テレビの世界は一般社会の倫理から外れた企業の搾取がまかり通っている、ということを見せてくれるため、ひじょうに「変な感じ」になっています(笑)。
私は「幸福の科学」は好きではありません。創設者にして総裁の大川隆法は「霊言集」なる本を出しています。松下幸之助の霊が大川隆法に憑依して語ったインタビュー本、木村拓哉の守護霊が大川隆法に憑依して語ったというインタビュー本など、大量の好き勝手な「霊言集」をキムタクや松下幸之助の遺族の許可無しで出版。酷すぎます(笑)。
しかし、今回はちょっと応援しています。今回のこの騒動がキッカケで、芸能事務所の搾取や理不尽なしきたりから、俳優などの芸能人が解放され、個人としての、労働者としての人権を得ることが出来るきっかけとなってほしいと思います。
テレビでは一般社会のニュースに偉そうに悪い頭でコメントしているくせに、芸能界の常識を主張する坂上忍とか和田アキ子とかのバカの頭の悪さが、今まで以上に露見してほしいです。
そして、芸能事務所レプロエンタテイメントの非道がもっと批判され、今まさに、そのブラック芸能事務所レプロエンタテイメントに芸能界から追い出されようとしている能年玲奈さんが、芸能事務所の不当な圧力から解放され、めいいっぱい女優として自由に活動できるキッカケとなってほしいと思います。
能年玲奈さんを応援したいという人はたくさんいます。
「芸能事務所の横暴」vs「幸福の科学」 今回の件にかんしては、「幸福の科学」を応援したいと思う時任でした。
スマップ騒動、能年玲奈、そしてもっと前からの芸能界の闇。ネット時代の一般人の民意によってテレビ業界も変わり、芸能界も変わってほしいですね。 ちなみに小栗旬は日本で俳優の労働組合を作ろうと働きかけているそうです。ハリウッドの俳優組合のようにですね。ハリウッドも昔は俳優は事務所の力が大きく、お金は不当に安く、事務所を変えたり独立したりすると、干されるという処遇を受けてきた歴史があります。小栗旬も応援したいですね。
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